マトリョーシカにおける童話の考察について
マトリョーシカにおける童話の考察と、たいそうな題名をつけましたが、
要するに童話や民話をモチーフにしたマトリョーシカの紹介なんです。
最初に紹介するのは、「シンデレラ」
地味でさえない娘でも、一瞬にして美しくなるときがあるから、
人生を悲観せずに、夢を抱いて生きていきましょうという話ですね。
もしくは土手のカボチャだって
綺麗な馬車に生まれ変われるんだという話です。
このマトリョーシカは、頭や手がついた珍しいデザインで、
なかには魔法使い、意地悪継母、ねずみ、かぼちゃの馬車と入っています。
少しディズニー的な絵が、残念な気がしますが、画期的なマトリョーシカだと思います。
王子様がいないところもポイントかも
お次は、同じ工房でつくられている「三匹のコブタ」です。
三兄弟のうち、しっかりしているのが末っ子なのは、
ブタの世界も人間の世界も同じなんだよ、
いざという時は長男ではなく末っ子に頼りなさいという話です。
こちらもディズニー的な絵なのですが、オオカミの服がロシア的なのがよいです。
コブタちゃんを目の前にして、喜んでコサックダンスでもしそうな感じですね。
コブタちゃんには耳がついているのが芸が細かいところです。
しかしコブタちゃんたちは、オオカミのなかにしっかりと収納されています。
ということは、もう食べられているんです
そうとは知らず、それぞれ木の家や藁の家をつくっているのが健気ですね
最後は「三匹の熊」。
ロシアでは人気のある童話です。
平和な熊さんの家の留守中に、女の子が忍び込んで
スープを飲んだり、ベッドで寝たりと好き放題した挙句、
熊さんに気づかれ、慌てて逃げたという話です。
家宅不法侵入もしくは女の子の空き巣狙いという、熊にとっては気の毒な話です。
そういう熊の家族に同情しているのか、
作者は熊の家族は可愛らしく描いているのですが、
女の子はベルのような独楽のような下膨れの身体にされて、
可愛く描こうという意図がみえません
その熊の家族を同情する気持ち、痛いほどわかります。
というわけで、『マトリョーシカにおける童話の考察』はいかがだったでしょうか
(店主YUZO)
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